「行動」の「理由」を知るために【書評】
有川宏幸『教室の中の応用行動分析』(明治図書)の紹介をしたいと思います。
1.どんな人向けの本?
学校の先生やスクールカウンセラー、学校の中で「怒ってしまう」「注意してもきいてくれない」などの困りを抱えている人向けの1冊。
行動分析において「正」や「負」、「強化子」「弱化子」とわかりにくいワードが頻出します。この本ではわかりやすい例を用いながら行動分析におけるワードを解説しているため初めて応用行動分析に触れる人でも読みやすい1冊になっているかと思います。
2.この本の良いところ
学校場面で「叱る」「怒鳴る」ことは果たしてどれくらい珍しいことでしょうか。よく見受けられることかと思います。本書ではこの「怒鳴る」を分析していきます。
今、学校で起きている「行動」を俯瞰し「分析」することで今までどうしようもなかった問題があっさり解決してしまう。そんな1冊になると思います。
3.これからの学校に求められるもの
行動の1つひとつを客観的に分析する。それは正論らしく聞こえますが、現場の先生方は日々様々な行事や役割に追われる中、このようなことが果たしてできるでしょうか。
そういった場面でこそ、スクールカウンセラーが活躍し、また活用されていけばいいのかなと思っています。
現場の教員の様々な負担を減らしながら、子どもたちが主体的に学び先生たちが働きやすい学校が増えていくことを期待しています。
そういった環境のためにも応用行動分析の考え方が広まり実践され、子どもたちが伸び伸びと育ち先生方が疲弊せずに済む学校であってほしいです。
おすすめの記事はこちらから