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【本の紹介】井上祐紀『学校では教えてくれない 自分を休ませる方法』

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今日は、井上祐紀『学校では教えてくれない 自分を休ませる方法』(株式会社KADOKAWA)の紹介をしたいと思います。

 この本、先日発売して早速紙の本で手に取って読んでみましたがまずカバーの装丁から可愛いいイラストと触り心地の良い質感がお気に入りです。ぜひ、実際に手に取って読んでみてほしいですね。

 

さて、内容としては子どもの目線に合わせた専門用語を使わず読みやすい言葉、分かりやすい表現で自分を休め楽にする方法が書かれています。

子ども目線の本だから大人は読む必要がないかというとそうではなく、親であったり学校の先生にもぜひ読んで欲しい内容です。そして、これは学生に限った内容でもなく社会で働く私たち大人にも通ずる側面もあるので日常生活に活かすことができ実用性も高いと思います。

「休む」ことにここまで真摯に向き合い、子どもたちのさまざまな不安や悩みを取り扱っている本もなかなか無いのでおすすめの1冊です。

 

この本でとにかく強調さてているのはまずは1人で悩まず相談できる存在と繫がることなのですが、この本ではその相談者が本当に安全な相談者か?という視点の見分け方まで書かれている点は非常に良いなと思い、相談した挙句傷ついてしまうということを回避するためにも良い視点だなと感じました。

 

 

最近だと、旭川のいじめの凄惨な事件がありましたね。

子どもの悩みは、学校や家庭の見えているところだけの問題でもなく、目に見えないところで進んでいる問題を抱えていることはきっとこのいじめの事件以外にも多いでしょう。

いじめと言ってもその程度や年齢によって一概に言えるものではないですが、やはり自分のつらさを打ち明けることができる人がいるかどうか、また適切に動いてくれる頼れる大人がしっかりいるかということは非常に重要な視点だと思います。また合わせて、自分でも取り組める気持ちを楽にする方法も活用していくことでリラックスできる瞬間を増やしていきたいですよね。

 

いじめにしても、友達関係にしても、部活や進路、様々な悩みを自分の中に抱え続けるのではなく、必要に応じて自分を休ませるということがとても大切なことだと本書を通して感じました。

何事も無理をしてはいけないし、させてはいけない。こういった観点から見たら本書はより子どもの身近にいる大人にこそ読んでほしい本だと思います。

休んでも、そこからしっかりと着実に手順を踏めば良いのです。焦る必要なんてなくて目標に向かって少しずつ整えていく、そんな方法を書かれた本。ぜひ、読んでみてください。

 

 

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  • メディア: 単行本
 

 

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