君はTWIMY(QQIQ)を知っているか(覚えているか)
それは遡ること、2013年のインターネット。
Twitterで、女子中学生3人の宅録バンドが突如として現れ自称音楽オタクのTwitter界隈では話題を呼んだ。不登校で毒舌のギターボーカル川合沙織、ベース橘香深、ドラム塩沢哲子の3ピースバンドだ。残念ながら現在、Youtube等では非公開になっていて彼女らの音源は聴くことができない。
中学生とは思えない音楽知識と、現代への風刺とも受け取れる歌詞に度肝を抜かれたリスナーも多かったのではないだろうか。
TWIMY「暇人と音楽的な美少女」では現代音楽への批判・現実からの逃避、そしてそれらを音楽の中で昇華し我々を魅了した。現代音楽への批判は諦めでなく、希望を込めた問題提起だったのだ。「TODAY」のコード感とそのメロディに綺麗に落とし込まれた歌詞を聴けば、2013年のインターネットが今でも蘇る。
結果的に中身は女子中学生ではなく橋爪裕と伊奈つばさの2人が女子中学生を演じ曲をリリースしていた。この構図に2020年現在のVtuber文化の先駆けといってもいいだろう。時代を先駆けていたにも程がある。
橋爪さんと伊奈さんはその後ツイキャスを介し路上演奏やライブを配信するなどしてサポートメンバーの加入など紆余曲折ありQQIQとして顔出ししながら活動する。
TWIMYというインターネット上の存在がQQIQというバンドとして現実の世界にリアライズした。
幸いなことにQQIQのMVは今でもいくつか公開されておりYoutube上で聴くことができる。
彼らの1stアルバム「いなのUSB」はその名の通りUSBアルバムだった。今でも大切に保管している。音源以外にも歌詞カードから自撮りなど様々な特典が入っていた。
その後の2ndアルバム「011‐020」においても金額を10円から自由に設定できるというもので話題を呼んだ。(当時2000円を設定し振り込んだことを鮮明に覚えている)
現代音楽への抵抗と、自分たちが創りたい音楽を創り演奏するということに終始し3rdアルバム「021‐030」リリース、2017年6月23日にアルバム「000‐000」をリリースし解散した。
次第にTWIMYやQQIQの無い日常に我々は還っていったのである。
時というものは残酷で、あんなにもキャスの配信や音源の発表を心待ちにしたり、Twitterの更新を楽しみにしていたにも関わらず記憶は薄れ、我々は我々の日常を送っていたのだ。
そんな中、突如として眠りにつくまでとして音源の発表、最近ではneco tapes名義でフリー音源の公開やカセットテープの販売など行っている。
今でもたまにTwitterでQQIQなどとエゴサするとあの頃のTwitterのTLで見覚えのある面々のアイコンを見かけることがある。
それでもフォローすることもなく、それぞれの生活を送るのだ。そして安堵する、今日も私の知らないところで生きていてありがとうと。
あの頃の記憶というものは私たちを潜在的に繋いでおり、それは音楽という形のない媒体だからこそ成しえるのだ。
この記事に遭遇したあなたもあの日、2013年のインターネットでお会いしたことのあるあなたなのだろう。もしも、この記事で初めてTWIMYを、QQIQを知ったのであれば私たちと2013年(~2015年)を共有して頂けないだろうか。
そこに確かに存在していたTWIMY(QQIQ)を。
YoutubeでTWIMYのコト、語っています。
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