心理学が好きな犬の備忘録

臨床心理士がサブカルチャーから心理学まで好きなことを書いてゆく

映画「ミッドサマー」を観てはいけない理由

ついに、噂のあの映画をAmazonプライムビデオで視聴しました。

Twitterでいろいろと感想が流れてくるので気になっていた作品でした。

この映画を観た感想を書いていきたいと思います。

 

結論から言うと凄く面白かったです。

ホラー映画は大好物で、過激な描写もちょっとくらいなら全然大丈夫なのですが、この映画は画面的な怖さよりも違和感の積み重ねによって不気味さが演出されています。

不協和する、私たちには相容れない異国の文化と牧歌的な雰囲気には嫌悪感を催さずにはいられません(褒め言葉)

 

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ざっくりとこの物語を紹介すると、大学生の男女がスウェーデンのホルガ村で行われる90年に1度の祝祭に参加します。論文を書くために向かったのだが、次第にその村で行われる儀式に違和感を覚えていきます。恋愛関係にあるヒロインのダニーと彼氏クリスチャンの心情の変化を追って観ていくとその結末を楽しめるでしょう。

 

ダニーは心理学を専攻していてパニック障害を患っています。クリスチャンとその友人マークとジョシュは文化人類学を専攻しています。彼らの友人のペレはホルガ村のコミューン出身の留学生です。

彼らが体験するホルガ村でも祝祭は美しく、穏やかなのですが草木が常に微細な揺れを続けたり、手足から草が生えてくる描写など、不気味な演出が多く見受けられます。

というのも、この村ではドラッグを用いて様々な儀式が行われているようで、そのような幻覚描写を私たち視聴者もみせられているというわけです。

ドラッグ描写はスタンリー・キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」などでも出てきますね(こちらもオススメの映画)。

 

さぁ、ここまで読んだ皆様はちょっと興味を持ってきたのではないでしょうか?

 

 

この映画、このような性質を持っていることから、心身の体調を整えてから観ることをオススメします!

人によっては精神的に疲れてしまう描写も多いかと思いますので、お家で観る際はゆっくり自分のペースで観るのが好ましいでしょう。

 

個人的な感想をネタバレしない程度に話していくと、やはりドラッグ描写やグロ描写は映画というフィクションだからこそ成立するもので(実際にやってはダメ絶対)、そういったものの怖さ・異質さをエンターテイメントに落とし込み楽しめるということはやはり映画の良さだと感じました。劇中の村に実際に行けって言われたら泣きながら逃げそうですが、映画というフィクションの中だからこそ楽しめるということですよね。

 

あと、もう一つ言えるのは村に描かれている絵や文字、様々な美術面のビジュアルが非常に魅力的。劇中にこそ名言されていないものも、この食べ物や飲み物は……と想像できてしまう恐ろしさというのもじわじわと不気味さが際立っていきました。そのような視点で観ていくのもオススメです。

 

このようなかんじで、とにかく疲れているときや気持ちが沈んでいるときは観てはいけません!さらに気持ちが沈んでしまいます!

もし失恋してしまったのであれば、それは例外。その時はホルガ村に足を運んでみるのもアリかもしれません(保証はしません)

 

 

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