あなたの国は誰が決めるの?━シン・エヴァ直前にシン・ゴジラを観たオタクの感想
このセリフにピンときたあなたが大好きです。心理学要素がすでになくなりつつある、心理学が好きな犬です!
さて、シン・ゴジラについて語りたいと思います。
なぜ、今?
食わず嫌いの犬は今日に至るまで観ていませんでした。なぜでしょう。
特撮も好きですし、ゴジラも数作品は観ています。そんな私がなぜシン・ゴジラに食いつかなかったのか。スルーし続けていたのか。
そう、庵野秀明が総監督を務めたからです。
庵野秀明監督といえば新世紀エヴァンゲリオンシリーズの監督として知らない人は居ないでしょう。
そんな大好きなエヴァンゲリオンの監督の作品だからこそ、観れなかったのです。
新劇場版ヱヴァンゲリヲンが未完である中、シン・ゴジラの撮影に着手し上映されたことにどこかモヤモヤした感覚となり、観ていなかったのです。
つまり、ヱヴァが終わっていないのに別の作品を観て楽しむなんてできないめんどくさいオタクだったわけです。わかりませんか?わかってくれませんか?この感覚。好きなのに憎いし、観たいのに観たくないんです。
「なにこの犬、気持ち悪い」
でも、今日なんとか観ることができたんですよ。きっと皆さんは手を叩いて
「おめでとう」
と、声をかけてくれることでしょう。
前置きはここまでにしておき、シン・ゴジラを4年遅れにみたオタクがこの作品を今観て面白いと感じたポイントをいくつか挙げていきたいと思います。
1.「政府の対応の遅さ」
面白いほどリアリティのある描写として政府・官僚の未確認生命体の出現に対する対応が挙げられ、それがこの映画の魅力である。未曾有の危機の前に、多くの決断を迫られますが、その決断には様々な工程を経てやっと承認されます。現在のコロナ禍においてもこのような状況に既視感を覚えました。有識者会議などの描写を含めて、コロナ禍という未曾有の危機の渦中にいる今だからこそ、この作品に初めて触れるというのは機会として良いタイミングだったのでは?とすら思います。
2.特撮というジャンルの可能性
この作品は、分かりやすい正義の味方が現れて怪獣を倒す勧善懲悪の物語ではありません。そのラストも意味深な描写を含んでいました。
分かりやすい戦いを描くのではなく、社会に対して核や平和について、そして自然災害時の対応などの問題提起していく作品です。特撮って子ども向けの作品だという固定観念だけでこの作品を避けてしまうのは勿体ないなと感じました。
3.シン・エヴァを前に
時系列でみると、2012年の新劇場版ヱヴァンゲリヲンQ、そして2016年のシン・ゴジラ、その後2021年にシン・エヴァンゲリオン劇場版の上映となります。
庵野秀明のその瞬間にみて、感じたものがフィルムに投影されているとするならばシン・ゴジラを観ておくことは、シン・エヴァを観るにあたって庵野秀明という人を理解しヱヴァに向き合うことを役立てると私は感じます。
勿論、完全に理解することはできないでしょう。それでも「分かろうとしたの?」と問われたら「分かろうとした」と答えたいものです。
Qにしても、シン・ゴジラにしても、その物語は復興が背景テーマとして描かれているように感じました。その結末も、ハッピーエンドとは言わないにしても希望を残した終わり方をしていることも共通しています。
これらを経て、シン・エヴァで庵野監督は何を描きたいのか、エヴァはどのような未来を歩んでいくのか今から楽しみです。
それでは、シン・ゴジラ2周目を観てきます。(登場人物の多さ、飛び交う台詞の多さ含め非常に情報量の多い映画につき、1度じゃ満足できないことも魅力でしょう)
その他、関連記事はこちらから