臨床心理士がオススメする漫画「プラネテス」
幸村誠先生による全四巻の漫画、「プラネテス」を紹介したいと思います。
舞台は今よりももっと未来のお話です。
宇宙に散らばったゴミ、スペースデブリを回収するサラリーマンの物語。
主人公、星野八郎太(通称ハチ)がサラリーマンとして働きながら自分の夢に向かって葛藤する物語です。
このマンガのテーマはズバリ「愛」です。ヒロインの田名部愛もハチと同様にサラリーマンとして宇宙で働くのですが、新入社員ということもあり理想を掲げて仕事に臨みます。
私たちの実社会で「こうしたい」「こうあるべきだ」「誰かのために何かしたい」と様々な期待を抱きながら働き夢見ると、その理想と現実のギャップに絶望した記憶は皆様にはないでしょうか?
このマンガでもそういった理想と現実のギャップに直面し、それでも自分の気持ちをぶつけ悩み、葛藤する様子が丁寧に描かれています。
舞台を宇宙に移しても、人間の本質というものは変わらず他人への関心であったり、愛というものの重みは変わらない、ということが一貫して描かれています。
ハチの宇宙船を手に入れるという野望とそれに向かって葛藤しつつも前向きな姿勢だったり、田名部のどんなときも他者への愛を忘れない姿勢というものは、現実社会で生きる中でついつい忘れてしまいがちな大切なことです。
マンガの中にこそ、私たちが生きる上で忘れてはいけない大切なことが描かれていて、もしも忘れてしまいそうになったのならばまた手に取って思い出せば良いのです。
私自身、プラネテスからいろいろなことを感じ、学んで歩んできました。
そんな私のスタート地点であり、還ってくるべき場所、それが「プラネテス」です。
ぜひ、読んでみてください。