心理学が好きな犬の備忘録

臨床心理士がサブカルチャーから心理学まで好きなことを書いてゆく

コロナ禍に怒りとの上手な付き合い方を学ぶ!アンガーマネジメント【書評】

 

安藤俊介『アンガーマネジメント入門』(朝日文庫)の紹介をしたいと思います。

 

アンガーマネジメント入門 (朝日文庫)

アンガーマネジメント入門 (朝日文庫)

 

 1.どんな人向け?

緊急事態宣言下、様々な場で自粛を強いられている中イライラは溜まっていませんか?

そんな方々がイライラを適切な形で対処するために有効な1冊です。

 

 

2.よかったトコロ

心理療法の短期療法(SFA)の技法をふんだんに用いて一般の方々向けに日常生活の中で活用できる例を挙げて書かれているので、実践しやすい印象です。

本書の例は職場におけるトラブルが多く、日常私たちが感じるであろう場面が想定されておりイメージしながら読めます。

 

扱われている中の1つにある「コーピングマントラ」というものは私自身もよく利用しています!

交響詩篇エウレカセブンの「ねだるな勝ち取れさすれば与えられん」

おまじないとして様々な場面で頭の中で唱え乗り越えてきました。

 

 

3.怒りとの付き合い方について

私たちの生活には怒りはつきものです。しかし、それを過剰に前面にだしてしまうと対人関係も崩れてしまいがちです。適切な形で自分の怒りと向き合うことでより楽しく日々を過ごせるでしょう。そんな工夫が本書では扱われているのでぜひご活用ください。

 

アンガーマネジメント入門 (朝日文庫)

アンガーマネジメント入門 (朝日文庫)

 

 

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シン・エヴァンゲリオン劇場版 公開前の気持ち

 

こんにちわん、こんばんわん!心理学が好きな犬です!

今日は緊急事態宣言を受け、延期となったシンエヴァの上映前の気持ちを書き連ねていこうかと思います。

 

1.ついに完結してしまう

あの日、劇場で序を観てから約14年。記憶は薄れつつある中、破で味わった衝撃だけは今も忘れることはありません。

そして、いい意味でも悪い意味でも裏切られたQ。

そんなエヴァがもうすぐ完結するというのだから今からもうわくわくしているのです!

長い時間をかけて待ち続けたエヴァの終わりをはやく皆で共有したいという気持ちでいっぱいです。もう、特報だけでもいろいろ考察できるし、特報だけで全然どうなるか想像できません。

個人的には終わってほしくない気持ちもありますが、観るまで絶対死ねないしその結末をはやく観たい!

 

 

2.宇多田ヒカル「One Last Kiss」からひも解く予想

 

 

Qの主題歌「桜流し」含め、ミサトがシンでキーパーソンになるのではないかと予想しています。

序で描かれた2人の関係性があるからこそ、Qのミサトの態度と桜流しの歌詞は複雑な感情を抱かされます。そういったミサトの心情がシンで描かれるのではないでしょうか。

 

個人的には 新劇場版におけるカヲルのセリフ、「今度こそ 君だけは幸せにしてみせるよ」から旧劇場版の世界のループ説というのは予想していました。

旧劇場版のミサトの「帰ってきたら続きをしましょう」というセリフ、からの今回の主題歌の曲名……様々な憶測は飛び交いますが上映が楽しみです!

 

 

 

 

 

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ご報告

 

こんにちわん!こんばんわん!心理学が好きな犬です!

 

お久しぶりです。

年末から体調を崩していて投稿ができない状況にありました。

今後もマイペースに活動を続けていきたいので今年もよろしくお願いします。

 

また、「2020年、2万円分の本をレビューするまで年を越せまてん」という企画をしながらも達成できず申し訳ありませんでした。今後もゆっくりと好きな本を紹介していきたいと思いますで気長に暖かく見守ってもらえたら幸いです。

 

 

個人的に気になっていたニュースですが、シン・エヴァンゲリオン劇場版は上映が延期になりましたね。

 

EVANGELION FINALLY ムビチケカード付き数量限定・期間限定盤

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  • アーティスト:アニメ
  • 発売日: 2020/10/07
  • メディア: CD
 

 

ムビチケを持って全力で待機しています!緊急事態宣言下、皆で乗り越えていかないといけないですし、しばしの辛抱です。

シンエヴァに向けての気持ちなどもまた書いていこうと思います!

今後とも、よろしくお願いします!

 

 

 

 

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校則は本当に必要なのか?学校と教育について、臨床心理士が考える

 

西郷孝彦『校則をなくした中学校 たったひとつの校長ルール』(小学館)を読み、普段スクールカウンセラーとして学校の中で働きながら思うことを交えて感想と考えていることを書き連ねていこうと思います。

 1.この本はどんな本?

世田谷区立桜丘中学校で10年間校長として子どもたちと向き合った西郷孝彦さん。2020年3月に退任されました。この10年の中で世田谷区立桜丘中学校では何が起こったのかが描かれています。教育や学校の先生はどうあるべきかということを考えることになる一冊です。

非常に読みやすい文章で子育てをする保護者、現場で働く教員、教育に携わる多くの人に読んでもらいたい本でした。

 

 

2.校則を撤廃することについて

桜丘中学校では様々な校則がなく、制服も自由です。そしてスマホの持ち込みが可能でフリーWi-Fiを設置、校長室には充電スペースまであるそうです。授業中に寝ても起こされず、それでいて進学率も高い。

これだけみたら子どもたちにとって理想郷でしょう。しかし、窃盗などが起きた際はすぐに警察に介入してもらうようで校則はなくても社会の1員として自分の中で節度を持って過ごしていかねばなりません。

先生も上から目線で「○○しなさい」というような指導はさせないとのことで、子どもだからといって管理しないというスタンスは素晴らしいなと感じました。

このような桜丘中学校の取り組みは、素晴らしいですが果たして全ての学校で可能なのかということを考えてしまいました。今、教育の現場ではICTの導入で慣れない機材と向き合う必要があったり、多くの現場で発達障害不登校といった大人視点での「問題」に向き合う中で1から新しいことを始め議論するエネルギーなどなく、日々をなんとか過ごしていくことに精一杯な現状があるかと思います。だからこそ、「この本を読め。そして実践しろ」と教育の現場に容易に投げつけることができないのです。

 

「なぜ勉強しないといけないのか」「なぜ受験勉強をしないといけないのか」「なぜ学校に行く必要があるのか」こういった子どもたちの目線での疑問や葛藤には私たち臨床心理士公認心理師スクールカウンセラーとして現場でよく耳にします。子どもたちは様々な疑問を抱きながら勉強をさせられている中で、どうしたら自分から学びたい・学校に行きたいという気持ちになれるのでしょうか。そういった中で、ルールというのは足枷になっている面がやはり大きいとも感じます。でも、社会にでたらルールばかり足枷ばかりでそういった社会の縮図として学校というものがあったなと自分の過去を振り返りながら感じます。ルールの中で、自分の葛藤に折り合いをつけて自分のペースで学校と向き合っていくことは、それはそれで将来生きていく中での同じような状況に遭遇した時の対処方略として、経験が役立つこともきっとあるでしょう。

 

 

3.これからの教育について思うこと

校則や、学校の先生が上から縛るような教育というのはやはり変わっていく必要があるとは思います。教室の中の問題行動をやめさせるために叱るのであればその叱り方を考えていく必要があるでしょう。問題行動については私たち心理シが助言、介入していくことも大切な機会だと思います。

学校での問題は学校だけで解決できないこともあります。家庭と学校の連携も大切なことです。そこにはやはり信頼関係がなければ成り立ちません。信頼関係という点でみたら桜ヶ丘中学校の実践例は素晴らしいものでしょう。

 

家庭での子育てを基本としながら学校の教育はどうあるべきか?議論していかねばならない段階にあると私は思います。現場の先生の負担をいかに軽減していくか?それは時に行政レベルで変わっていかないといけないものもあるでしょう。現場で働く先生たちが豊かな生活を、そしてそこで学ぶ子どもたちが楽しく自由に過ごすために。

 

 

桜ヶ丘中学校を例に、教育に携わる者は今一度、考え動いていく必要がある。そんなことを考えた一冊でした。また、じっくり思うことを書いていきたいと思いますので、読者登録よろしくお願いします!

 

 

「2020年、2万円分の本をレビューするまで年を越せまてん」

残り、9660円

4冊目の本はこちら

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実践に学ぶ30分カウンセリングを読んで【書評】

  細澤仁・上田勝久編『実践に学ぶ30分カウンセリング』(日本評論社)を読んで思うこと、感想を書いていきたいと思います。

1.どういった人におすすめ?

カウンセリングといえば心理士(師)のイメージが強いですが、この本では医師やソーシャルワーカー、看護師の立場から短時間・低頻度のカウンセリング場面を取り扱っています。医療や教育の現場において、なかなか50分という枠を確保できず自分のカウンセリングの進め方は果たして正しいのだろうかと悩んでいる方にはおすすめの一冊です。理論と事例が書かれていることもあり、現場で働く経験がまだ無くても学びとなる側面は多いでしょう。

 

 

2.ココが興味深い

スクールカウンセラーとして教育の現場に入っていく中で、配置回数や勤務時間の問題というのは常に考えながら過ごしています。この本で考えさせることは多かったです。限られた時間の中でどのように介入していくかという視点でこの1冊を読んでいくと、自分の臨床の中に活かしていけるヒントは多く含まれているように思います。

 

 

3.これからの臨床現場の変化の中で

カウンセリングのフィールドがオンライン上に移行しつつある現在、時間と頻度の枠組みについてはオフライン同様に議論されるべきことでしょう。また、ユーザーのニーズに的確に応じていけるようカウンセラー側も枠の中でどのようなことに焦点をあて、洗練された場を提供し向き合うことができるのか。この書をきっかけに、自身の臨床心理士を振り返りつつ、今後のカウンセリングに活かしていきたいと思いました。

 

 

 

「2020年、2万円分の本をレビューするまで年を越せまてん」

残り、11200円

3冊目の紹介はこちら

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小澤廉、暴力報道から考える恋人のDVと困った時の対処法

仮面ライダー鎧武や共演NGに出演の他、おそ松さんなどの舞台作品で活躍の人気俳優小澤廉さんが元交際相手に対するDVが文春オンラインによって明らかになりました。

報道の内容について事務所によって事実確認の後、契約解除となったことが公式ホームページで報告されています。

 

元交際相手は高校1年生の頃から小沢さんとの交際があったようで、その中では多くのDVを受けていながらもその関係は続き、妊娠後の堕胎強要など様々な精神的、かつ肉体的苦痛を伴い自殺未遂にまで追い込まれていたそうです。この関係は5年にも渡って続いていたとのことで、被害女性がどれほどの思いで日々を送っていたかと思うと胸が痛みます。

 

さて、このような報道からどうしてこの関係が5年間も続いてしまったのか。もしも自分がこのような立場に置かれたらどうしたらいいのだろうか。という点から考えていきたいと思います。

 

1.DV彼氏との恋愛関係はなぜ続いてしまうのか?

DVの関係性が長く続いてしまう背景には様々な要因があるかと思いますが、まずはDV加害者の独占欲の強さと、自分への自信のなさというものが挙げられます。

自分に自信がないからこそ、力によって支配する(暴力行為:金銭的な支配や精神的・肉体的な暴力)ことにより相手をコントロールします。しかし、一旦暴力を振るい終えると、急に優しい姿を見せ豹変します(ハネムーン期)。

DVの被害者はたまに見せるこの優しい姿があるからこそ、相手を切る捨てることができない共依存の関係になってしまい長くこの関係が続いてしまいます。DV被害者にとっても「私が居ないとこの人はダメなんだ」と許してしまうんですね。

 

 

2.DVに気づいた時の対処法

こういった関係性は暴力の程度や内容に違いはあっても、ありがちかと思います。おかしいな?と気づいても暴力の後の優しい1面をみたり、暴力的な場面以外では自分のことをよく理解してくれてその人しか自分を理解してくれる人はいないと錯覚しがちです。

しかし、実際は暴力なんて振るわれずにあなたのことを理解してくれる人は世の中にきっといるでしょうし、居ないと思うのであればそれは単にまだ今この瞬間に出会えていないだけだと思います。

ちょっとでも苦しい思いをしているのであれば身近な人に相談するもよし、もし身近に相談できる人がいないのであれば、DVの相談窓口等での相談をまずは電話などでしてみても良いのではと思います。

soudanplus.jp

また、自分の命の危険性がある緊急を要する場合はDV加害者のために警察に通報し保護してもらうことも大切な選択肢です。

 

日本全国各地に相談窓口がありますので、お近くの相談機関に電話で確認をとり実際に足を運んで話すということも場合によっては必要でしょう。

www.gender.go.jp

 

死にたいやつらい、苦しいといった気持ちが相手との関係の中で生じてしまうのであればその気持ちを試練だとか、一過性のものだと看過すべきではありません。相手のことを大切に思うであれば尚更悪循環を断ち切り、適切な形で関係を維持していけるよう考えていくことが大切でしょう。

そういったお手伝いを我々心理士(師)含む様々な支援に携わる対人援助職が担っていけたらと思っています。

 

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クラスLINEが面倒くさい。ママ友同士の交流に疲れるあなたに

 

保育園、幼稚園、小学校や中学校の保護者同士の繋がりって皆様にとってどのように感じていますでしょうか。

こんにちわん、こんばんわん、臨床心理士スクールカウンセラーとして小中学校で問題解決のお手伝いをしている心理学が好きな犬です。

 

最近ではママ友同士で、ラインのグループを作り所謂クラスラインで様々な情報を共有するということは多くあるようです。

クラスLINEは生徒の間でも作られ、その人間関係が「だるい」「面倒くさい」などと話題になることもありますが、今回は親同士のコミュニティに着目して話していきたいなと思います。

 

 

1.クラスLINEのメリット

我が子のランドセルはぐちゃぐちゃ。配られたプリントもロクに親に届かない。そんなときにクラスLINEは大活躍。共有してくれる人のおかげで重要な情報を見逃さずに済みます。また、提出期限が迫っているときに注意喚起をしてくれる方がいれば忙しい日々の中提出を忘れてしまうことを防げます。

そして、あるあるなのは宿題の内容を忘れてしまったときはクラスLINEで質問したら気づいた誰かが答えてくれるので次の日子どもが宿題を忘れて注意される!なんてことがなくなります。

あとは、運動会や持久走大会の際は撮ってくれた写真を共有してくれるなんていうこともあり便利な場面も多いようです!

 

これだけみたらクラスLINE最高じゃない!?となりそうですが、弊害もあるようです。

 

 

2.クラスLINEのデメリット

・リアクションすべきか無視すべきかよくわからない写真や投稿をする人がでてくる。

旅行に行ってきました、とかクラスLINEに写真アップされても「知るか!インスタにでもあげとけ!」って心の中で思って既読スルーしちゃうなどと。既読スルーすると、次PTAで会う時気まずいかなぁと余計な心配をしたりととにかく面倒くさいんですよね。

 

・クラスでのトラブルの問題提起をしてしまう。

「クラスで騒いでいる子がいるようで、皆困っています」「授業中私語が多いので気を付けるよう各自子どもに注意してください」などと、率先して問題提起する内容。

こういうことを書かれたら「我が子のことかも……」と思ってしまいますよね。自分の子が全体の中で名を伏せて注意されている、そんな気持ちになってなんだか不快ですよね。実際はそんなことなく、みんな騒がしかったり別の子だったりするのでそこまで気にしないで大丈夫でしょう。

 

・気づけば大量の未読が貯まる

日々、仕事に明け暮れ夕方には保育園のお迎えに走り、家に着いたら夕飯の準備に追われますよね。そんな中、クラスLINEなんていつみるの?という状況。そこで、共有されていたのに大量のスタンプに大事な情報が埋もれていくというのはあるあるですよね。

「クラスLINEで書いてあったのに、見てなかったの?」なんて言われた日には「知るか!!こちとら忙しいんじゃ!」と心の中で叫びましょう。

 

3.繊細な人ほど疲れるラインや人との繋がりの中で

メリットは確かにあって、学校のことを気軽に尋ねられるのは良いですよね。一方で、デメリットとしてママ友同士の関係の亀裂が生じてしまいそうな要因をいくつか含んでいるようです。

グループライン以外でもSNS全般で言えることだと思いますが、自分の生活と他者の生活は全く異なる時間の流れ方で進んでいきます。考え方も同様で自分と他人は同じことでも違った受け止め方をして当然です。しかし、人は常に自分の物差しで物事を測りがちです。自分が伝えたのだから相手が知っていて当然という感覚であったり、誰かが注意されている場面ではきっと自分のことだろうと思い込んでしまうというものであったり。

そんなときにこういったラインなどのネット上における不快な気持ちを一旦置いておくことが非常に大事です。メリットとなることはしっかり恩恵を受けつつ、何か嫌な気持ちになりそうだなということには関与せず、実際に会ったときに話して確認する方がお互いの気持ちをしっかりと伝えることができるでしょう。

文字でのやり取りって意外と伝えようと思っていることがしっかり伝わらないものなんですよね。

それでも、ママ友同士の繋がりというのは本当に大切で、困っているときの支えになってくれることは事実でしょう。そんな繋がりをちょっとしたことで崩してしまわないよう、まずは自分が楽に(適当に)物事を受け止められるようにしていきたいですね。

 

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